勝利へのこだわり

二刀流は新たな壁にさしかかっている.去年,大谷が二刀流を高いレベルで実現しMVPを取ったことで,不可能と思われていたことを可能にした彼自身の価値は証明された.そして,今年はそもそも二刀流は取り組むに値するかどうかが試されている.つまり二刀流が勝利につながるかどうかということだ.

MLBの人気が落ちていることの要因の一つとして,白人の保守層の影響が強いことがあると言われているが,彼ら巣食うのが野球のレベルが高い東海岸で,なかでもNYヤンキースは総本山と言っても良いかもしれない.その中核に,アメリカ人好みの強大なパワーでホームランを量産しているジャッジがいる.この調子だと今年は彼がMVPを取るだろう.また,NYメッツには100マイルを超える剛速球と切れのある変化球で三振の山を築くデグロムがいる.実は,彼は二刀流ができる程ヒットを量産できるが,年齢のせいかもしれないが,怪我がちになってしまう.前半はまさにその怪我で休んでいたためサイヤング賞は取れないだろうが,怪我が癒えれば,登板の度に観る人を魅了するのは間違いない.

大谷はこの二人の能力を併せ持っているのだが,たとえ賞が取れなくても,その能力を勝ちに結び付けて印象的なプレーをしないと,保守層が二刀流そのものを否定するキャンペーンを始めるかもしれない.そうなると大谷自身の評価もプレーに見合ったものにならなくなってしまう.それを分かっているからこそ人一倍勝利にこだわっているのだろう.

先ずは,100年以上破られていないべイブルースの二桁勝利二桁本塁打を圧倒的に超えて,チームを復調させ印象的なシーズン後半を過ごして欲しい.

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