A center for children

こども関連施設を集約しようとする試み

左のスケッチは平面図の一部と南東側からの透視図。波打つメインアプローチの南側(手前)の円い建物が保育所、北側が集約棟(児童センター、母子健康センター、保健センター)。
〇屋内運動場を持つ大きめの児童館:一階の西端の曲面屋根で高さを確保しているところが屋内運動場で、児童館関連の事務室などは隣接して設けている。その上部(二階)にプレイルームを設けてあり、直近の階段を上下の行き来に利用することで他の要素との干渉を避けることができる。
〇母子健康センター:育児の相談や乳幼児健診などを行う機能を一階に集約して設けている。
〇子供のためというよりも大人、主に高齢者の保健センター:事務と相談などの少人数の部屋は一階にあり、大勢が集まる会議室、軽い運動を伴う機能訓練室、及び料理教室などは二階にある。
〇保育所:将来民間の運営になることも考えられるため、他の部門とは棟が分かれている。建物中央の最も背の高い部分に遊戯室があり諸室はその周りに鈴なりになって配置されている。背の高い部分が保育室、保育士関連の諸室、及び給食室になっており、その間の背の低い部分がトイレなどの水回りや倉庫になっている。尚、この場所は洪水時に2mほどの浸水が予想されるため、平屋である保育所の屋上は浸水時の一時避難所として利用できるように考えている。
〇倉庫(集約棟):今後デジタルデータ化され書類などが減る可能性を考慮し、将来無駄になりかねないスペースははじめからできるだけ削り建設コストの削減につなげる。そのため、各部門の倉庫を集約して建物中央の一階に設けている。
〇駐車場:市民が憩いや散歩に利用する屋外スペースを十分に確保するためできるだけ駐車台数を抑える。各部門は利用時間が必ずしも一致しないため、時間差で利用できるように駐車場を集約し敷地北寄りに設ける。それにより歩行者との交錯も減じる。尚、保育所の分は運営が独立したときのことを考慮し、保育所の建物に隣接して別に設けている。

〇メインアプローチ:メインアプローチは連絡通路も兼ねている。運営形態が異なることを考慮し独立させた保育所はここを介して他の部門(集約棟)と繋がっている。
〇駐輪場:集約棟の玄関は駐車場側(北)と広場側(南)にあるが、駐輪場その両側に設けている。マウンドに隠れているため外部からは殆ど見えない。保育所の分は保育所に隣接して設けている。
〇斜熱板:集約棟の二階は機能訓練室と遊戯室が南面している。角度の浅い冬の太陽光は窓から取り込み、角度の高い夏の日差しは斜熱板で軽減する。緑化や太陽光は環境的メッセージ性は高いが費用も高い。そのために更に税金を投入するかどうかは議論を要する。
〇バス停:前面道路にはもともとコミュニティバスが往来していて、この計画が実施された場合はここにバス停を設けることが検討されている。前面道路に面しメインアプローチに隣接する場所が好ましく、スケッチの上では鱗柄にトップライトが設けられた部分にあたる。

上の二枚のスケッチは保育所の内部を描いたもの。左は中心にある遊戯スペース、この周りに保育室などの諸室を鈴なりに配置している。右は保育室、保育室は隙間を開けて並べ三面に開口を設けている。ここを介し保育室から直接屋外に出ることができる。保育室同士の隙間にはトイレなどの水回りや倉庫を設けている。

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