オリンピックと組織的不正

 オリンピックでは金の掛かりすぎや会場周辺の規制に対する不満,競技とは関係のない社会的弱者に対する扱いの不公平が開催される度に取り上げられている.そのうえ最近ではドーピング,判定,委員会の汚職などの疑念も取り沙汰されることが多い.
 オリンピック競技になる前からプロとして成立していた競技以外の競技者にとっては,オリンピックは彼らの存在を保証する基盤になっている.このまま不公平と感じる疑念が続けば,オリンピックに対する関心は薄れ存続すら危ぶまれるのではないだろうか.それでは不正をしてライバルに勝っても,それを支える環境を根こそぎ失うことになる.そんな大きな代償を払ってまでする不正の費用対効果は極めて小さい.あらゆるものを犠牲にし厳しい勝負の世界に生きる人たちなら,ちょっと顔を上げて見回せば分かるはずだ.

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