常任理事国と拒否権

 社会がグローバル化すればするほど個の尊厳を認めること,つまり個の身の振り方はその個にゆだねられることが求められるが,一方では,全体の決議を個が左右してはならない.たとえば国連で議決するとき,その結果に従うか従わないかはそれぞれの国にゆだねるべきだと思うが,多数が賛同した結果を一国の拒否権で議決できないとがあってはならない.
 ロシアのウクライナ侵攻に限らず,常任理事国の拒否権で議決できないことはこれまでもあった.地球環境やパンデミック,またこれから起こるであろう国際紛争など,国連として対処しなければ収拾できないことが生じたとき,せめて拒否権だけでもなくしておかないとことが重大になるほど国連は機能しない.
 もっと言えば,国連安全保障理事会の常任理事国の制度を見直すべきだと思う.第二次大戦の戦勝国を中心に構成されているように見える常任理事国はいずれも大国だ.世界的に格差の拡大が問題視されている現代において,大国が絶対普遍の常任理事国として存在し続けることは時代錯誤に思える.早急に国連が機能するように改革する必要がある.

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